家庭で子どもが学ぶこと
子どもの頃に家庭でドメスティックバイオレンス(DV)を見て育ったらー。
子どもは親の顔色をうかがい、不安が強く、精神的にも追い詰められる。そんな事例をこれまでに紹介しました。
さらに心配なのは、「暴力で支配すること」を、子どもが家庭で学んでしまう可能性があることです。
DVの加害者の妻たちから「子どもが学校で人をたたく」とか「保育園で、おもちゃを『貸して』と言えずお友達から取り上げる」と、相談を受けることがあります。もちろんDVだけが原因ではないかもしれませんが、DVをいつも目の前で見ている場合には、影響がないとは言い切れません。
親の姿は、子どものモデルになる可能性があるのです。
問題が起きたときは、暴力で解決すればいい。愛情があれば暴力をふるってもいい。相手を「恐れさせる」ことによって、自分の言うことをきかせることができる。人を支配することで人生の満足感が得られるー。
そうした価値観が、DVに日常的に接しているうちに育ってしまったら。大人になって心の中では「あんなけんかばかりの家庭にしたくない」と考えていても、暴力で支配しようとする行動をしてしまうケースは少ないのです。
もちろん、親の姿を反面教師にして、暴力とは無縁の豊かな人間関係を築く人もいます。しかし、知っていただきたいのは、夫婦間のDVであっても、子どもに悪い影響を及ぼす可能性が十分にあるということなのです。。
怒鳴ったり、たたいたり、物を投げたりして、相手を脅して支配していませんか。どうか暴力で解決する生活を、真摯な話し合いで解決する生活に変えてください。
☆事例は事実を基に再構成しています。
クロッケ代表・黒瀬茂子(広島市)