これって暴力?

 みなさん、配偶者や恋人に暴力をふるい、精神的な苦痛を与えるドメスティックバイオレンス(DV)って、どうすればなくなるとおもいますか。

 離婚したり別れたりして、加害者から逃げるしかないのでしょうか。それとも、我慢するしかない?いいえ、もう一つ、加害者が変わる方法もあるんじゃないでしょうか。

 広島市中区にあるクロッケの事務所には、DV加害者の男性が、週1回集まってきます。DVと向き合い、自分の価値観を見つめ直して、パートナーと新たな関係を築き直すためです。

 この連載では、クロッケで出会った男性たちがどんなふうにかわっていったのか、お伝えしようと思います。

 「妻から別居したいと言われたましたが、原因が分からなくて・・・」

 彼から電話がかかってきたのは、2年前、暮れも押し迫った頃でした。彼のようにDV加害者の多くは、自分のしてきたことがDVと気付いていません。パートナーからのSOSも見逃している場合が大半です。

 間もなく事務所を訪れた彼は45歳。40歳の妻と高校1年の長男、小学6年の長女がいる4人家族でした。

 「僕は家族のために家を建てたかった。お金に厳しいのは仕方無いでしょう」

 そう彼は説明しましたが、妻の面談をするとかなり言い分が食い違っていました。

 「毎日、500円だけもらう生活って変じゃないですか。夜、レシートとおつりを渡すたびに『頭を使え!』と文句をいわれて。自分の趣味にはお金を使うのに。もう嫌です。離婚したい」。彼女はそう言って、涙を浮かべました。

 彼は妻を「支配」していることに気付いていなかったのです。続きは次回に。

 

☆事例は事実を基に再構成しています。

クロッケ代表・黒瀬茂子(広島市)