DV加害者の更生を

DV加害者の更生を
  民間事務所「クロッケ」福山に12日、開所

夫婦間などでの暴力「ドメスティックバイオレンス(DV)」の解消に向け、グループワークを通じて加害者を更生に導く民間の事務所「クロッケ」が12日、福山市駅家町にオープンする。自身もDV被害者だった黒瀬茂子さん(50)が運営。実績のある市民団体「アウェア」(東京都)のプログラムを実践して加害者の自覚を促し、脱暴力を目指す。

黒瀬さん自身、15年間にわたって●●から「君がきれいじゃないから浮気するんだ」など、言葉の暴力による精神的な暴力を受けて苦しみ続け、離婚。「DVを根絶したい」と2008年1月から約2年間、アウェアで研修を受けてグループワークのファシリテーター(進行役)に認められた。

クロッケのグループワークはアウェアの理念に基づき「価値観を学び直し、パートナーに共感、配慮する力を養う」ことを目指す。アウェアでは被害者の妻に促され加害者の夫がプログラムに参加している例が多く、クロッケも同様のケースでの利用を主に想定している。

参加者は、1回1時間の面談を計3回受けた上で入会。会員3人以上が出席する週1回2時間のグループワークを1年以上続ける。グループワークの前半は会員同士が配偶者に対する1週間の言動を発表し、互いに問題点を指摘し合う。後半は黒瀬さんが暴力を自制するための方法を伝授する。

市内のDV被害者支援団体と連携しながら加害者の更正に取り組む方針で、黒瀬さんは「DVは根深い問題なので長期的な支援をしていきたい」と話している。